線香のあげ方と本数|宗派による違いと、基本の作法
線香のあげ方と本数を、宗派ごとの違いとあわせてやさしく解説。1本か3本か、立てるか寝かせるか、火の消し方など、仏壇やお墓、法事の席でとまどわないための基本の作法をまとめました。迷ったときの考え方も紹介します。

仏壇やお墓の前で「線香は何本?立てる?寝かせる?」と迷ったことはありませんか。
線香のあげ方と本数は、宗派によって違います。1本を立てる宗派もあれば、3本立てる宗派、折って寝かせる宗派もあります。迷ったら、その家の宗派にあわせるのがいちばんです。
線香のあげ方の基本
まずは、どの宗派でもだいたい共通する流れです。
- 仏壇(またはお墓)の前で一礼する
- ろうそくの火を線香に移す
- 線香の火は、手であおいで消す
- 香炉(こうろ)に立てる、または寝かせる
- 手を合わせて、もう一度一礼する
火は口で吹き消さない
線香の火を口でふーっと吹き消すのは、避けたほうがよいとされています。人の口は、うそや悪口を言ってしまうこともあるので、仏さまに供える火には向かない、という考え方があります。手であおぐか、線香を軽く振って消しましょう。
線香をあげる意味
線香の香りには、その場や自分の心を清める意味があると言われます。また、香りは仏さまや故人へのお供えになる、という考え方もあります。
ゆっくりと立ちのぼる煙を見ながら手を合わせる時間は、故人を思い出し、心を落ち着ける時間でもあります。作法を気にしすぎて緊張するより、ていねいに一本をあげることを大切にしましょう。
線香の本数は宗派で違う
よく言われる例をまとめると、次のようになります。お寺や地域によって違うこともあるので、目安として見てください。
- 天台宗・真言宗 … 3本を立てることが多い
- 浄土宗 … 1本を立てる、または1本を折って寝かせることもある
- 浄土真宗 … 1本を2〜3本に折り、火を左にして寝かせる
- 臨済宗・曹洞宗 … 1本を立てることが多い
- 日蓮宗 … 1本、または3本を立てる
3本立てるときの並べ方
3本立てる場合は、手前に1本、奥に2本の三角形に立てる、または横に並べる、などの形があります。こちらも宗派やお寺によって違います。
寝かせる宗派の理由
浄土真宗では、線香を立てずに寝かせます。もともと香炉の灰の上に、横にした香を置いてたいていた名残だと言われます。
お墓での線香と法事の席
お墓では、線香を束のまま火をつけて供えることがよくあります。風が強い日は火がつきにくいので、線香立てのかげで火をつけたり、新聞紙で包んで火をつけたりする人もいます。
お通夜やお葬式、法事の席では、自分の家の宗派ではなく、その場の宗派にあわせるのが基本です。わからないときは、前の人のやり方をそっと見て、まねすれば大丈夫です。
お墓で線香をあげるときの注意
- 火をつけるときは、ライターやマッチを使い、まわりに燃えやすいものがないか確かめる
- 線香の火が残ったまま、ごみ袋に入れない
- 霊園によっては、線香の持ちこみや火の使い方に決まりがある
とくに乾燥した季節や風の強い日は、火の始末に気をつけましょう。帰る前に、残った火がないかを確かめると安心です。
よくある質問
自分の家の宗派がわからないときは?
親や親せきに聞くのが確実です。仏壇のご本尊やお位牌、お墓に刻まれた文字が、手がかりになることもあります。わからない間は、1本を心をこめてあげれば十分です。
線香は毎日あげたほうがいい?
決まりではありません。毎朝あげる家もあれば、お参りするときだけの家もあります。大切なのは本数や回数より、手を合わせる気持ちだと言われます。
今日の一歩
自分の家の宗派を、すぐに言えますか。あいまいなら、今日、親や祖父母に「うちは何宗?」と聞いてみてください。
そこから「どこのお寺?」「お墓はどこ?」と話が広がっていきます。聞き方のコツは家族に聞く七つの質問にまとめています。
文・つっちー



