「もったいない」に込められた、ものへの気持ち
ごはんを残すと「もったいない」。子どものころから聞いてきたこの言葉には、ものを大切にするだけではない、日本人の深い気持ちが込められています。

ごはんを残したとき、まだ使えるものを捨てようとしたとき。「もったいない」と言われたことのない人は、いないかもしれません。
「勿体(もったい)」とは
「もったいない」は、漢字で書くと「勿体無い」です。
「勿体」は、もともと仏教から来た言葉で、もののあるべき姿や、本来の値打ちのことだと言われています。それが「無い」。つまり、ものが本来持っている力を、生かしきれずに失ってしまうことを惜しむ言葉です。
ものにも、命がある
日本では昔から、身のまわりのものにも魂が宿ると考えてきました。
古くなった針を豆腐やこんにゃくに刺して供養する「針供養」や、長年使った人形を供養する「人形供養」。役目を終えたものにも、感謝して手を合わせます。
「もったいない」も、同じ気持ちから出ている言葉です。ものを惜しむだけでなく、それをつくった人や、そのもとになった命に対して申し訳ない、という気持ちが込められています。
世界に広がった「MOTTAINAI」
2005年、ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんは、日本でこの言葉に出会い、深く感動しました。
ひと言で「ごみを減らす・再利用する・資源を大切にする」という考え方と、ものへの敬意をあらわせる言葉は、ほかの国にはなかったからです。マータイさんはこの言葉を「MOTTAINAI」として世界に広めました。
受け継いできたものも、もったいない
おばあちゃんの着物、おじいちゃんの手帳、古いアルバム。家にあるものには、その家の人たちの暮らしが染みこんでいます。
捨ててしまう前に、それが誰のもので、どんな思い出があるのか、聞いておく。それも、ひとつの「もったいない」かもしれません。
今日の一歩
家にある古いものをひとつ選んで、それが誰のものだったのか、家族に聞いてみてください。
聞けた話は、家系図と一緒に残しておくと、次の世代に渡せます。家系図診断は、わかる範囲で書くだけで始められます。
文・つっちー



