けじめの意味と語源|「けじめをつける」の本当の使い方
けじめの意味は「区別」や「物事の区切り」。語源は「分け目」から来たという説などがあり、はっきりしません。『源氏物語』の古い使われ方から、「けじめをつける」の今の使い方まで、やさしく紹介します。

「けじめ」とは、物事のあいだにつける区別や、区切りのことです。
「けじめをつける」は、あいまいにしていたことをはっきりさせる、自分の行いに責任をもって区切りをつける、という意味で使います。語源ははっきりしていませんが、「分け目(わかちめ)」から来たという説が有力だと言われます。
けじめの意味
今は、おもに次のような意味で使われます。
- 区別 … ちがいを分けること。「公私のけじめ」
- 区切り … 物事の終わりや境目。「一年のけじめ」
- 責任のとり方 … 失敗などに、自分なりの始末をつけること
たとえば「仕事と遊びのけじめをつける」は、二つをまぜずに分けること。「けじめとして謝る」は、自分の行いにきちんと区切りをつけることです。
昔の書き方では「けぢめ」と書きました。「差別」「区別」という漢字をあてて「けじめ」と読ませた例もあります。
けじめの語源と古い使われ方
けじめは、とても古い言葉です。平安時代の『伊勢物語』や『源氏物語』にも「けぢめ」として出てきます。
当時は、こんな意味で使われていました。
- ちがい・差 … 二つのものの見分けがつくこと
- へだて … 部屋を仕切る几帳(きちょう。布をかけた仕切り)など、間をへだてるもの
- 移り変わり … 季節などが変わる境目
『源氏物語』には、夜になって「けぢめも見えず」(見分けもつかない)という書き方があります。目で見て、ちがいがわかる。それがもとの感覚だったようです。
語源には、いくつかの説があります。
- 分け目(わかちめ)説 … 平安時代の終わりごろの辞書に、「分」の字の読みとして「ケヂメ」があることから
- 掲焉(けちえん)説 … 「くっきり目立つさま」を表す言葉から
- 囲碁の言葉から来た説 … 碁の終盤の手を表す言葉から
どれも決め手はなく、「分け目」説がもっともらしいとされつつも、はっきりとはわかっていません。
昔は「ちがいが見える」という、目で見た区別の言葉でした。それが時代とともに、「態度や行いをはっきり分ける」という心の区別の言葉にも広がっていきました。「けじめをつける」という今の言い方は、その流れの先にあると言えそうです。
「けじめをつける」は人のつながりの言葉
「けじめ」は、人と人の関係の中で大切にされてきた言葉でもあります。
親しい仲でも、言っていいことと悪いことの区別がある。お世話になったら、きちんとお礼を言う。お祝いごとや法事で、目上の人と自分の立場をわきまえる。こうした「線を引く」感覚が、けじめです。
家族のあいだでも、けじめは大切にされてきました。お正月に目上の人へきちんとあいさつをする。法事では、ふだん冗談を言い合う親戚とも、改まった言葉で話す。年中行事や冠婚葬祭は、暮らしの中に「ここで区切る」という節目をつくる役目も果たしてきたと言えます。
けじめは、相手を遠ざけるための線ではありません。おたがいが気持ちよくいられるように、ほどよい間をとる線です。昔の几帳が、部屋を分けながらも同じ空間にいられるようにしたのと、少し似ています。
よくある質問
「けじめ」は漢字でどう書く?
ふつうはひらがなで書きます。古くは「けぢめ」と書き、「差別」「区別」の字をあてた例もありますが、今はひらがなが一般的です。
「けじめをつける」と「始末をつける」は同じ?
近い意味ですが、少しちがいます。「始末をつける」は、あと片づけをすることに重みがあります。「けじめをつける」は、区別や区切りをはっきりさせることに重みがあります。
今日の一歩
今日、ひとつだけ「けじめ」をつけてみてください。先のばしにしていたお礼の連絡をする。仕事の終わりに机を片づけて、ここまで、と区切る。小さなことで十分です。
区切りをつけると、次の一歩がふみ出しやすくなります。自分の家のことを知る一歩として、家系図診断をのぞいてみるのもおすすめです。
文・つっちー



