相続関係説明図とは?家系図との違いと書き方の基本
相続関係説明図とは、亡くなった人と相続人のつながりを図で表した書類です。決まった様式がないこと、相続登記で役立つ使い道、法定相続情報一覧図や家系図との違い、書き方の基本をやさしく紹介します。

相続関係説明図とは、亡くなった人と、相続人(財産を受け継ぐ人)のつながりを、家系図のような図にまとめた書類です。
主に、土地や建物の名義を変える「相続登記」の手続きで使われます。国が決めた様式はなく、だれが作ってもかまいません。
相続関係説明図とは何に使うものか
相続の手続きでは、亡くなった人や相続人の戸籍を、たくさん集めて出します。でも、戸籍の束を見ただけでは、だれがどんな関係なのか、すぐにはわかりません。
そこで、関係をひと目でわかるように図にしたのが、相続関係説明図です。
よく知られている使い道は、相続登記で戸籍を出すときです。相続関係説明図をあわせて出すと、出した戸籍の原本を返してもらえる(原本還付)手続きが楽になります。戸籍の一枚一枚をコピーしなくてよくなるので、手間がへります。
もう一つの役目は、手続きをする人どうしの「確認」です。相続人が多い家では、だれが相続人なのか、家族の間でも思いちがいがあります。図にして見せることで、話し合いがしやすくなります。
なお、相続登記は2024年4月から義務になりました。土地や建物を受け継いだら、決められた期間のうちに名義を変える必要があります。
相続関係説明図と家系図・一覧図の違い
似た書類に、家系図と「法定相続情報一覧図」があります。違いを整理してみましょう。
- 家系図 … 家のつながりを残すためのもの。ご先祖さまから親戚まで、自由に広げて書けます
- 相続関係説明図 … 相続の手続きのためのもの。様式は自由で、公的な証明はつきません
- 法定相続情報一覧図 … 相続の手続きのためのもの。法務局に出して確認してもらうと、証明つきの写しがもらえます
相続関係説明図には、「遺産分割で土地を受け継ぐ人」「相続放棄(相続しないと決めた)した人」など、手続きの中身を書きこむこともできます。ここが、一覧図との違いの一つです。
書き方の基本
決まった様式はありませんが、ふつうは次のことを書きます。
- 表題 … 「被相続人 〇〇〇〇 相続関係説明図」のように書きます。被相続人とは、亡くなった人のことです
- 亡くなった人の情報 … 名前、最後の住所、本籍、生年月日、亡くなった日
- 相続人の情報 … 名前、住所、生年月日、続柄(亡くなった人から見た関係)
- 関係を表す線 … 夫婦は二重線、親子は一本線で結ぶのが一般的です
- 作った日と作った人の名前
亡くなった人の配偶者や子がすでに亡くなっている場合は、その人も図に書き、亡くなった日を書き添えます。孫が代わりに相続人になる場合などに、つながりがわかるようにするためです。
法務局のサイトにも、記載例がのっています。それを見ながら作ると安心です。
書くときに大切なのは、戸籍とまったく同じ文字で名前を書くことです。旧字や、ふだん使わない字も、戸籍のとおりに書きます。
よくある質問
相続関係説明図は、だれが作るものですか?
相続人が自分で作ることも、司法書士などの専門家に頼むこともできます。関係が複雑なときは、専門家に相談すると安心です。
相続関係説明図を、家系図として使えますか?
親子や夫婦のつながりは同じなので、家系図の土台にはなります。ただ、載っているのは相続に関わる人だけです。そこからさかのぼって、ご先祖さまを書き足していくとよいでしょう。
今日の一歩
家に相続関係説明図や、相続の書類が残っていたら、一度ひらいてみてください。祖父母やその親の名前、本籍地が、家系図の手がかりになります。
そこに書かれた本籍地から、さらに古い戸籍をたどる方法は、戸籍の取り寄せ方にまとめています。
文・つっちー



