除籍が廃棄されていたら?先祖をたどるほかの手がかり
古い除籍が廃棄されていて取れなかったときの対処法をまとめました。除籍の保存期間が80年から150年に延びた改正、役所が出す廃棄の証明書、墓誌や過去帳、土地の記録など、先祖をたどるほかの手がかりを紹介します。

古い戸籍を請求したら、「廃棄済みのため交付できません」と言われた。家系図づくりでは、ときどきあることです。
除籍が廃棄されていても、役所に証明書を出してもらえるうえ、お墓や過去帳など、ほかの手がかりからたどれることがあります。ここで止まる必要はありません。
除籍が廃棄される理由(保存期間の改正)
除籍とは、全員がいなくなって閉じられた戸籍のことです。昔の決まりでは、除籍の保存期間は80年でした。80年を過ぎたものは、役所の判断で廃棄してよいことになっていました。
その後、2010年(平成22年)6月に法務省令が改正され、保存期間は150年に延びました。
保存期間は、その除籍が閉じられた年から数えます。たとえば、昭和のはじめに閉じられた除籍は、80年の決まりのままなら、平成の途中で廃棄の対象になっていたことになります。
ただし、改正の前にすでに廃棄されたものは、もどってきません。そのため、明治のころの除籍は、取れる自治体と取れない自治体があります。戦争や災害で、戸籍そのものが焼けてしまった地域もあります。
廃棄されていたら、まずすること
まずは、役所で「廃棄されたことの証明」を出してもらえるか聞いてみましょう。
この証明書は、自治体によって「廃棄証明書」「告知書」などと呼び名が違います。相続の手続きで、「これ以上はさかのぼれない」ことを示す書類として使われます。
家系図づくりでも、どこまで調べたかの記録になります。取れた戸籍と一緒に、ファイルにとじておきましょう。
また、本当にすべて廃棄されたのかも確かめておきます。本籍地を一つ前に読みちがえていた、ということもあるからです。いちばん古い戸籍の「従前の本籍」の欄を、もう一度見直してみてください。
除籍のほかに先祖をたどる手がかり
戸籍が途切れても、先祖の記録はほかの場所に残っていることがあります。
- お墓と墓誌 … 墓石や墓誌(名前を刻んだ石)には、名前と亡くなった年が刻まれていることがあります
- お寺の過去帳 … 菩提寺(先祖のお墓があるお寺)の過去帳に、名前や命日が残っていることがあります。見せてもらえるかはお寺によって違います
- 家の中の記録 … 位牌、古い手紙、日記、写真の裏書き、家に伝わる系図など
- 土地の記録 … 法務局にある古い登記簿には、土地の持ち主の名前が残っていることがあります
- 地域の資料 … 市町村史(町や村の歴史の本)や、図書館の郷土資料にも、名前が出てくることがあります
- 親戚の話 … 本家や、年上の親戚の記憶は、何よりの手がかりです
こうした手がかりを見に行くときは、持ち主や管理する人に先に連絡し、ていねいにお願いしましょう。
ひとつだけで決めつけず、いくつかを重ねて確かめることが大切です。名前や年が合えば、つながりの見込みがぐっと高まります。
よくある質問
廃棄された除籍を、ほかの場所で見ることはできますか?
役所にもう残っていなければ、戸籍としては取れません。ただ、どこまで残っているかは自治体ごとに違うので、あきらめる前に一度役所に確かめてみましょう。
家紋や名字から先祖をたどれますか?
家紋や名字だけで家をたどるのは難しいです。ただ、お墓に刻まれた家紋が、本家や親戚を探す手がかりになることがあります。
今日の一歩
いちばん古い戸籍を手元に出して、そこに書かれた一番古い人の名前と本籍地を、ノートに書き写してみてください。そこが、戸籍以外の手がかりを探す出発点です。
お墓や古い道具に家紋が残っていたら、苗字から家紋を引くで、どんな紋か調べてみましょう。
文・つっちー



