お伊勢参りとは?伊勢神宮の意味と式年遷宮|20年ごとの建て替え
お伊勢参りとは、伊勢神宮にお参りすること。江戸時代には「一生に一度は」と言われるほど人気でした。内宮と外宮のちがい、20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮の意味と由来をやさしく解説します。

「お伊勢さん」「お伊勢参り」。祖父母の世代から、こんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。
お伊勢参りとは、三重県の伊勢神宮にお参りすることです。伊勢神宮では、20年に一度、社殿(しゃでん…神さまのお住まい)をすべて新しく建て替える「式年遷宮(しきねんせんぐう)」が続けられています。
伊勢神宮とは?内宮と外宮のちがい
伊勢神宮の正式な名前は、ただ「神宮(じんぐう)」です。ほかと区別するため、地名をつけて伊勢神宮と呼ばれます。
中心になるのは、二つのお宮です。
- 内宮(ないくう) … 天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつる。太陽にたとえられる神さま
- 外宮(げくう) … 豊受大御神(とようけのおおみかみ)をまつる。食べものをつかさどる神さま
このほかにも多くのお社(やしろ)があり、全部で125のお宮やお社をまとめて「神宮」と呼びます。
お参りは「外宮から内宮へ」の順がよい、と昔から言われています。お祭りも外宮から先に行われることが多いため、そう伝えられています。
式年遷宮とは?意味と由来
「式年」は決まった年、「遷宮」は神さまに新しいお宮へ移っていただくことです。
伊勢神宮では、20年に一度、となりの敷地に同じ形の社殿を新しく建てます。そして神さまにお移りいただきます。社殿だけでなく、神さまの衣装や道具まで新しくつくります。
最初の式年遷宮は、飛鳥時代の690年、持統天皇(じとうてんのう)のころと伝えられています。戦国時代には途切れた時期もありましたが、その後また続けられてきました。
いちばん新しいのは2013年の第62回です。次の第63回は2033年に予定されていて、そのための準備のお祭りがすでに始まっています。
なぜ20年ごとなのか
はっきりした理由は書き残されておらず、いくつかの説があります。
- 木と萱(かや)の建物が、きれいな姿を保てる年月だから
- 大工の技を、親から子へ受け渡すのにちょうどよい長さだから
- 常に新しく清らかであることを大切にする考えから
いつも若々しく新しい、という意味の「常若(とこわか)」という言葉で語られることもあります。
古い社殿の木は、捨てられるわけではありません。各地の神社の建て替えなどに、ゆずられて使われると言われます。木の命を大切に受けつぐ考え方が、ここにも表れています。
江戸時代のお伊勢参り
江戸時代、お伊勢参りは庶民のあこがれの旅でした。「一生に一度はお伊勢参り」と言われたほどです。
旅にはお金がかかります。そこで村の人たちがお金を出し合い、くじで選ばれた代表が参る「伊勢講(いせこう)」というしくみがありました。
また、数十年おきに、何百万人もの人が一度に押し寄せる「おかげ参り」も起きたと言われます。家族に黙って出かける人もいたそうです。
旅人を助けたのが、「御師(おんし)」と呼ばれる人たちです。各地をまわってお伊勢さんの話を伝え、参拝に来た人には宿や食事、案内を用意しました。お伊勢参りが広まった裏には、こうした人たちの働きがあったと言われます。
よくある質問
内宮だけお参りしてもいい?
決まりではありません。ただ昔からの習わしとして、外宮のあと内宮へ、と両方参る人が多いです。
式年遷宮の年でなくてもお参りできる?
できます。伊勢神宮には一年中お参りできます。遷宮の前後には、関わるお祭りを見られることもあります。
今日の一歩
祖父母や親に、「お伊勢参りに行ったことある?」と聞いてみてください。団体旅行や修学旅行の思い出が出てくるかもしれません。
昔の旅の話は、家の歴史のかけらです。話を引き出すコツは家族に聞く七つの質問にまとめています。
文・つっちー



