一粒万倍日・天赦日とは?意味と決まり方|暦の言い伝え
一粒万倍日・天赦日とは何か、意味と決まり方をやさしく解説。どちらも暦に書かれてきた吉日の言い伝えです。年に何回あるか、避けたほうがよいとされること、ほかの吉日や凶日、気にしすぎない付き合い方までまとめました。

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)とは、「小さく始めたことが、大きく育つ」とされる日です。天赦日(てんしゃにち)とは、「天がすべてを許す日」とされ、暦の上でいちばんの吉日と言われます。
どちらも、昔から暦に書かれてきた「暦注(れきちゅう)」の一つです。運がよくなると約束するものではなく、物事を始めるきっかけとして使われてきた言い伝えです。
一粒万倍日の意味|一粒の籾が万倍に
一粒万倍日の名前は、「一粒の籾(もみ)が、万倍にも実って稲穂になる」という意味から来ています。
そのため、何かを始める日に選ばれてきました。
- 仕事を始める、店を開く
- 新しい習いごとを始める
- 種をまく
反対に、借金や人から物を借りることは避けたほうがよい、と言われます。「借りたものも万倍にふくらむ」と考えられたためです。
一粒万倍日の決まり方
一粒万倍日は、暦の下のほうに書かれる「選日(せんじつ)」の一つです。
一年を二十四節気で区切った「節月(せつげつ)」ごとに、決まった二つの十二支の日があたります。たとえば、立春から始まる月は、丑の日と午の日です。十二支は12日で一回りするため、ひと月に4〜8回ほどあります。
天赦日の意味|年に数回の日
天赦日は、天の神さまが万物の罪を許す日、と言われます。そのため、暦の上で最上の吉日とされてきました。
天赦日は、季節と「干支(えと)」の組み合わせで決まります。干支とは、十干と十二支を組み合わせた60通りの数え方で、日にも割り当てられています。
- 春 … 戊寅(つちのえとら)の日
- 夏 … 甲午(きのえうま)の日
- 秋 … 戊申(つちのえさる)の日
- 冬 … 甲子(きのえね)の日
60日で一回りするため、天赦日は一年に5〜7回ほどしかありません。2026年は、このあと12月16日が天赦日にあたります。
一粒万倍日と天赦日が重なる日は、さらに縁起がよいと言われることもあります。
気にしすぎない付き合い方
暦の吉日には、ほかにも「大安」や「寅の日」などがあります。反対に、同じ日に「不成就日(ふじょうじゅび)」のような凶日が重なることもあります。全部を気にすると、動ける日がなくなってしまいます。
一粒万倍日や天赦日のほかに、よく名前を聞く日を挙げておきます。
- 寅の日(とらのひ) … 十二日に一度。「出ていったものが戻ってくる」とされ、旅立ちの日に選ばれてきました
- 巳の日(みのひ) … 十二日に一度。弁財天(べんざいてん)にゆかりのある日とされます
- 不成就日(ふじょうじゅび) … 何ごとも成就しにくいとされ、物事を始めるのは避けられてきた日です
どれも暦の言い伝えです。調べる暦によって、日付の数え方が少し違うこともあります。
一粒万倍日も天赦日も、科学的な根拠があるものではありません。この日に始めたから必ずうまくいく、ということもありません。
それでも、「この日に始めよう」と決めることで、迷っていたことに一歩ふみ出しやすくなります。背中を押してくれる目印として、気軽に使うくらいがちょうどよいでしょう。
よくある質問
一粒万倍日に財布を買うといい?
財布の使い始めに選ぶ人はいます。ただ、それでお金が増えると決まっているわけではありません。気に入った物を、大切に使うことのほうが大事です。
天赦日に結婚の手続きをしてもいい?
もちろんかまいません。記念日として覚えやすいので、選ぶ人もいます。役所の開いている日かどうかも、あわせて確かめてください。
今日の一歩
ずっと気になっていたことを、一つだけ紙に書いてみてください。そして、次の一粒万倍日か天赦日を「始める日」に決めてみましょう。
たとえば家系図づくりなら、最初の一歩は戸籍を一通取り寄せることです。やり方は戸籍の取り寄せ方にまとめています。
文・つっちー



