願掛けとは?意味とやり方|お百度参り・断ち物・絵馬の言い伝え
願掛けとはどういうものなのか、意味とやり方をやさしく解説します。お百度参り、断ち物、絵馬など昔から伝わる願掛けの言い伝えと、無理をしない向き合い方、ご先祖さまの願いに思いをはせるヒントまで紹介します。

受験や大切な試合の前に、好きなものを我慢した。神社で絵馬に願いを書いた。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。こうした行いは「願掛け(がんかけ)」と呼ばれ、昔から人々の暮らしの中に息づいてきました。
この記事では、願掛けの意味と、昔から伝わるやり方を、言い伝えとして紹介します。
願掛けとは
願掛けとは、神さまや仏さまに願いごとをして、その実現を祈ることを言います。「願を掛ける」とも言います。
ただお願いするだけでなく、何かを我慢したり、決まった回数お参りしたりと、自分なりの約束ごとを添えることが多いのが特徴です。
願掛けは、願いをかなえる約束ではありません。自分の願いをはっきりさせ、そこに向かう気持ちを整えるための習わし、と受け止めることもできます。
昔の人にとって、病気の回復や家族の無事、豊作などは、今よりずっと切実な願いでした。願掛けには、そうした暮らしの祈りが込められています。
昔から伝わる願掛けのやり方
お百度参り
お百度参り(おひゃくどまいり)は、同じ寺社に百回お参りする願掛けです。
もとは百日間通い続けるものだったと言われますが、のちに一日のうちに百回お参りする形も広まりました。境内に「百度石」と呼ばれる石が置かれ、そこから本殿までを往復する場所もあります。
- 回数を数えるために、小石やこよりを使うこともある
- 人に見られないように行う、という言い伝えもある
断ち物
断ち物(たちもの)は、好きなものを一定の期間やめることで、願いの強さを示す願掛けです。
- お茶をやめる「茶断ち」
- 塩をやめる「塩断ち」
- お酒をやめる「酒断ち」
体に無理のかかる断ち方は、おすすめできません。現代では、甘いものやゲームなど、健康をそこなわない範囲で行う人が多いようです。
絵馬
絵馬(えま)は、木の板に願いを書いて寺社に奉納するものです。昔は、神さまの乗り物として生きた馬を奉納していたと言われます。それが、やがて馬の絵を描いた板に変わり、今の絵馬になったと考えられています。
今では、馬だけでなく、干支や寺社ゆかりの絵が描かれたものも多く見られます。
無理をしない願掛けの心がまえ
願掛けは、自分を追いつめるためのものではありません。こんなことを心にとめておくと安心です。
- 体や暮らしに無理のない方法を選ぶ
- かなわなかったときも、自分を責めない
- かなったときは、お礼参りをして感謝を伝える
作法は、寺社や地域、宗派によって違います。気になるときは、その場所の案内に従いましょう。
お礼参りを忘れずに
願いがかなったら、お礼参りをするのが昔からの習わしです。願掛けをした寺社にもう一度足を運び、「おかげさまで」と感謝を伝えます。遠くて行けないときは、近くの寺社や家の神棚・仏壇で手を合わせる人もいます。
かなわなかったときも、見守ってもらったことへの感謝を伝えると、気持ちに区切りがつきやすいと言われます。願掛けは、願う気持ちと感謝する気持ちの両方がそろって、ひとつの区切りになるのかもしれません。
ご先祖さまの願いを聞いてみる
今日できる小さな一歩は、家族に「昔、どんな願掛けをしていたか」を聞いてみることです。
祖父母が家族の無事を願って続けていたこと。親が受験のときに我慢していたこと。そうした話からは、家族が大切にしてきた思いが見えてきます。ご先祖さまも、きっと誰かの幸せを願って手を合わせてきたはずです。
話を聞くときのコツは、家族への聞き方にまとめています。
文・つっちー



