家紋は変えてもいい?新しく作れる?替紋と決まりごと
家紋は変えてもいいのか、新しく作ってもいいのか。家紋の使い方を決めた法律はないと言われる点や、昔からある替紋の習わし、新しく家紋を作るときに気をつけたいことを、やさしく紹介します。

「うちの家紋、ちょっと地味だな」「分家したから、自分たちの家紋がほしい」
そう思ったことはありませんか。家紋は先祖代々受け継ぐもの、というイメージがあるので、変えたり新しく作ったりしてはいけないような気がします。
実は、家紋は昔から、時代や家の事情に合わせて変わってきたものです。
家紋に法律の決まりはない
まず大切なことから。家紋をどう使うか、変えてよいかを決めた法律は、今の日本にはないと言われます。
戸籍に家紋を書く欄はありません。役所に届け出る必要もありません。家紋は、法律で決まった「家の印」ではなく、それぞれの家が受け継いできた習わしなのです。
そのため、次のようなことも、家の判断でできます。
- 今の家紋の形を少し変える
- 別の家紋に変える
- 家紋がわからない家が、新しく家紋を決める
ただし、親戚の中には「代々の家紋を大事にしたい」と考える人もいます。変える前に、家族や本家に一度相談しておくと安心です。
なお、家紋の図柄を会社や商品のマークとして使う場合は、商標という別の決まりが関わってくることがあります。家の中で使うぶんには気にしなくてよいことがほとんどですが、お店の看板などに使うときは注意しましょう。
昔から家紋は変わってきた
歴史を見ると、家紋は意外と変わってきました。
替紋(かえもん)
武家などでは、正式な家紋とは別に、もうひとつの紋を持つことがありました。正式なものを「定紋(じょうもん)」や「表紋」、もうひとつを「替紋」や「裏紋」と呼びます。
替紋は、少しくだけた場面で使ったり、定紋を使うのをはばかる場面で使ったりしたと言われます。
主君からいただく紋
戦国時代や江戸時代には、手柄を立てた家来が、主君から紋を使うことを許されることがありました。そのたびに、家の紋が増えたり変わったりしたのです。
分家で形を変える
本家から分かれた家が、本家の紋の形を少し変えて使うこともありました。丸で囲んだり、線を細くしたりして、本家とのちがいを表します。
このように、家紋は「一度決めたら絶対に変わらないもの」ではなく、家の歩みとともに形を変えてきたものです。
新しく作るときに気をつけたいこと
新しく家紋を作ったり、変えたりするときは、次の点を考えておくとよいでしょう。
- 今の家紋を記録に残す … 変える前の家紋も、家の歴史の一部です。写真や絵で残し、家系図にも書いておきましょう
- お墓や仏具との兼ね合い … お墓や紋付きの着物には、今の家紋が入っていることがあります。すぐに全部を変える必要はありません
- ほかのマークと似すぎない … 会社のロゴなど、ほかで使われているマークにそっくりにならないよう気をつけます
- 由来を書き残す … なぜこの形にしたのかを書いておくと、子や孫に思いが伝わります
家紋は、伝統的な図柄を組み合わせて作ることが多いです。植物や道具、文様など、昔からある形を土台にすると、家紋らしいまとまりが出ます。
たとえば、今の家紋を丸で囲む、好きな花を取り入れる、家族の思い出の植物を選ぶ。そうした小さな工夫から始めるのも一つの方法です。「なぜこの形なのか」を家族で話し合う時間そのものが、家の歴史を見つめ直すきっかけになります。
今日の一歩
まずは、今のわが家の家紋を確かめてみてください。お墓や仏壇、古い着物に入っていることがあります。
わからないときは、苗字から家紋を引くで、同じ苗字の家に多い家紋を調べるところから始めてみましょう。
文・つっちー



