由緒書・古い系図とは?|家に残る古文書の見方と相談先
由緒書や古い系図とは何かを、やさしく解説します。家の由来や先祖の歩みを書いた古文書は、家系を知る大切な手がかりです。見つけたときの扱い方、読めないときの相談先、気をつけたい点をまとめました。

由緒書(ゆいしょがき)とは、家の始まりや先祖の歩みを書きとめた文書のことです。古い系図は、先祖から子孫へのつながりを線や名前で表したものです。
どちらも、家の歴史を知る大切な手がかりです。ただし、書かれていることがすべて事実とは限りません。まずは、そっと大事に扱うところから始めましょう。
由緒書と系図の意味
ざっくり分けると、こうなります。
- 由緒書 … 家の由来や、先祖がどこから来て何をしてきたかを、文章で書いたもの
- 系図 … 先祖の名前を線でつなぎ、親子や兄弟の関係を表したもの
江戸時代には、武士の家が仕える藩に、自分の家の由来や先祖の勤めを書いた書類を出すことがありました。「先祖書(せんぞがき)」などと呼ばれます。その写しが、いまも家に残っていることがあります。
武士の家だけではありません。村の名主(なぬし、村のまとめ役)や商家、寺や神社とかかわりの深い家にも、由来を書いた文書が残っていることがあります。
古い系図は本当のこと? 注意点
古い系図や由緒書は、とても貴重です。でも、読むときには少し注意がいります。
- あとから書かれたものがある … 何代もあとになって、昔を思い出しながらまとめたものもあります
- 名家につなげた例もある … 江戸時代などには、家の格を高く見せるため、有名な一族の子孫だと書いた系図もあったと言われます
- 写すうちに変わる … 書き写すたびに、名前や年が少しずつずれることがあります
ですから、「書いてあるから、その通り」と決めつけないことが大切です。戸籍やお墓、お寺の記録など、ほかの資料と見比べて、合うところ・合わないところを確かめていきます。
それでも、古い系図が無意味になるわけではありません。その家が「自分たちをどう語り伝えてきたか」がわかる、大切な記録です。
見つけたときの扱い方と相談先
扱い方
蔵や押し入れから古い巻物や冊子が出てきたら、次のことに気をつけてください。
- ひろげすぎない … 古い紙は折り目から破れやすいです。無理に開かないようにします
- 写真に撮る … まずスマホで一枚ずつ撮っておくと、何度も触らずにすみます
- 湿気と日光を避ける … 風通しのよい、日の当たらない場所にしまいます
- テープやのりで直さない … 自分で修理すると、かえって傷めることがあります
- 捨てない、ばらさない … 読めなくても、まとまりのまま残しておきます
読めないときの相談先
古文書は、くずし字(筆で続けて書いた字)で書かれていることが多く、読めなくて当然です。そんなときは、次のような場所に相談できます。
- 図書館 … 調べものを手伝う「レファレンス」の窓口があります。くずし字の辞典もあります
- 郷土資料館・博物館 … その土地の歴史にくわしい学芸員がいることがあります
- 文書館(もんじょかん) … 古い文書を集めて保存している公的な施設です。都道府県などにあります
- 古文書の講座や会 … 公民館などで、くずし字を学ぶ講座が開かれていることがあります
相談するときは、文書の写真と、「どこで見つかったか」「家に伝わる話」をメモにして持っていくと、話がスムーズです。受け付けの方法は施設によってちがうので、先に電話やサイトで確かめましょう。
よくある質問
系図に有名な武将の名前があったら、子孫ということ?
それだけでは決められません。あとから名家につなげた系図もあると言われます。戸籍やお墓など、別の記録と合わせて確かめましょう。
古文書は寄贈したほうがいい?
決めるのは家族です。手元で大事にしてもかまいません。保存に困ったときは、郷土資料館や文書館に相談すると、扱い方を教えてもらえることがあります。
今日の一歩
家族に「うちに古い巻物や書きつけってある?」と聞いてみてください。仏壇の引き出しや、蔵の箱に眠っていることがあります。
古文書が見つからなくても、まずは今たどれる記録から始められます。手順は戸籍の取り寄せ方にまとめています。
文・つっちー



