KAKEIZ ー家系図ー
先祖

屋号とは?名字のほかにあった「家の呼び名」の意味

屋号とは、名字とは別に、家や店を呼び分けるために使われてきた名前です。村で家を区別する屋号、商家ののれんに入る屋号、歌舞伎の屋号など、その種類と由来、ご先祖さま探しへの生かし方を紹介します。

屋号とは?名字のほかにあった「家の呼び名」の意味

田舎の祖父母の家に行くと、近所の人がこんなふうに呼び合っていることがあります。

「ああ、それは『かみ』の家のことだよ」「『こうじや』さんとこの孫か」

名字ではない、不思議な呼び名。それが屋号(やごう)です。

屋号とは

屋号とは、名字とは別に、家や店につけられた呼び名のことです。

昔の村では、同じ名字の家がたくさん並んでいることがよくありました。たとえば集落の半分が「佐藤さん」だと、名字だけでは、どの家の話かわかりません。

そこで、家ごとに別の呼び名をつけて、区別したのです。

今でも、地方によっては屋号が日常的に使われています。郵便物や回覧板、お祭りの名簿に屋号が書かれている地域もあります。

屋号のいろいろ

屋号のつけ方には、いくつかのパターンがあります。地域によって、呼び方や好まれる形は違います。

場所や地形から

  • 「うえ(上)」「した(下)」… 坂の上か下か
  • 「まえ(前)」「にし(西)」… 本家から見た方角
  • 「さわ(沢)」「はし(橋)」… 家の近くの目じるし

仕事から

  • 「こうじや(麹屋)」… 麹をつくっていた家
  • 「かじや(鍛冶屋)」… 刃物や農具をつくっていた家
  • 「こんや(紺屋)」… 布を染めていた家

ご先祖さまの名前から

「〇〇べえ」「〇〇ざえもん」のように、昔の当主の名前がそのまま屋号として残ることもあります。何代も前の人の名前が、今も家の呼び名として生きているのです。

本家・分家の関係から

「しんや(新家)」「いんきょ(隠居)」のように、本家から分かれた家であることを表す屋号もあります。

商家の屋号

屋号は、村の家だけのものではありません。お店の名前としても使われてきました。

江戸時代には、町人や農民が公の場で名字を名乗ることは、一部を除いて許されていませんでした。そのため商人は、「越後屋」「伊勢屋」「近江屋」のような屋号で店を呼び分けました。

商家の屋号には、出身地の国名が入っていることがよくあります。伊勢(今の三重県)から江戸に出てきた商人なら「伊勢屋」という具合です。

のれんや看板には、屋号と一緒に屋号紋(やごうもん)と呼ばれる印が入ることもありました。山の形の下に文字を入れた「山〇(やまいち)」や、丸の中に文字を入れた「丸〇」などです。家紋とはまた別の、お店の印です。

歌舞伎の屋号

歌舞伎の舞台で、客席から「成田屋!」「音羽屋!」と声がかかるのを聞いたことがあるかもしれません。これも屋号です。役者の家ごとに受け継がれています。

屋号はご先祖さま探しの手がかり

屋号には、その家の歴史がつまっています。

  • 何の仕事をしていたのか
  • どこから来たのか
  • 本家と分家のどちらなのか
  • 昔の当主は誰だったのか

戸籍には、屋号は書かれていないことがほとんどです。屋号は、地域の人の記憶や言い伝えの中に残っています。だからこそ、知っている人がいるうちに聞いておくことが大切です。

お墓や古い道具、のれん、半纏(はんてん)などに、屋号や屋号紋が入っていることもあります。

今日の一歩

祖父母や親に「うちには屋号があった?」と聞いてみてください。

あれば、その呼び名の由来もたずねてみましょう。「昔、〇〇をしていたから」という答えから、ご先祖さまの仕事や暮らしが見えてきます。聞き方のコツは家族に聞く七つの質問にまとめています。

文・つっちー

あなたのご先祖さまは、どんな人たちだったのでしょう。

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