先祖の職業の調べ方|戸籍の注意点と、ほかの手がかり
先祖の職業の調べ方を紹介します。今取れる戸籍には、職業がほとんど書かれていません。家族の聞き取り、お墓、家に残る道具、地域の歴史や郷土資料など、職業を知るための手がかりと探し方をまとめました。

「ご先祖さまは、何をして暮らしていたんだろう」。家系図を作っていると、名前の次に気になるのが職業です。
先に答えを言うと、今取れる戸籍では、職業はほとんど分かりません。手がかりになるのは、家族の話、お墓、家に残る道具、そして地域の歴史です。
戸籍で先祖の職業が分からない理由
明治5年に作られた最初の戸籍(壬申戸籍)には、職業を書く欄がありました。ところが、この戸籍は今、閲覧が禁止されていて見ることができません。
そのあとの戸籍では、名前や生まれた日、親子関係などが中心で、職業が書かれていないのがふつうです。今の戸籍にも、職業の欄はありません。
戸籍には「士族」「平民」などの族称(家の身分の区別)が書かれていることがありますが、族称は職業そのものではありません。たとえば士族でも、明治以降は農業や商売をしていた人がたくさんいます。
先祖の職業を調べる手がかり
1. 家族・親戚の聞き取り
いちばん確かな手がかりは、人の記憶です。こんなふうに聞いてみましょう。
- ひいおじいさんは、何の仕事をしていた?
- 家の近くに、田んぼや畑、お店はあった?
- 昔、家に職人さんや奉公人(住み込みで働く人)はいた?
本家や、年の離れた親戚ほど、古い話を覚えていることがあります。「〇〇屋さんの家」「網元(あみもと。漁船や網を持ち、漁師をまとめる家)だった」など、昔の呼び名が残っていれば、それも大切な手がかりです。
2. お墓を見る
墓石や墓誌に、仕事にまつわる言葉が刻まれていることがあります。お墓に家の屋号(家ごとの呼び名)が刻まれていて、その屋号が商売を表していることもあります。
3. 家に残る道具や書きもの
蔵や押し入れ、仏間に残る古いものも、大きな手がかりです。
- 農具、大工道具、はかりやそろばん
- 帳面(お金や品物の出入りを書いた記録)
- 古い看板、のれん、印鑑
- 賞状や辞令(仕事の任命を知らせる書類)
捨てる前に、写真を撮って記録しておくと安心です。
4. 地域の歴史・郷土資料
先祖の住んでいた土地が分かれば、その地域の歴史から暮らしが見えてきます。
市町村史(自治体がまとめた土地の歴史の本)には、その村で盛んだった仕事が書かれていることがあります。農業の村だったのか、漁師町だったのか、宿場町(街道沿いの、旅人が泊まる町)だったのか。土地の姿が分かると、先祖の仕事を考えるヒントになります。
5. 古い写真や手紙
古いアルバムも見逃せません。仕事着の姿で写っている写真や、お店の前で撮った写真、職場の仲間との集合写真が残っていることがあります。写真の裏に、日付や場所がメモされていることもあります。
古い手紙やはがきの宛名や差出人に、会社や役場の名前が書かれていることもあります。一つひとつは小さな手がかりでも、いくつか集まると、先祖の働く姿がだんだん見えてきます。
調べるときの注意点
職業や身分の話は、人によってはふれてほしくないこともあります。昔の身分をもとにした差別は、今も残る問題です。
調べて分かったことは、家族の中で大切にし、ほかの家の出自をさぐる目的には使わないようにしましょう。
よくある質問
戸籍の附票に職業は書かれている?
戸籍の附票(ふひょう)は、住所の移り変わりを記録したもので、職業は書かれていません。ただ、住所の移り変わりから、仕事で引っ越した様子が見えることはあります。
職業がどうしても分からないときは?
分からないまま「たぶん農業だったのかも」と書いておくのも一つの方法です。あとで手がかりが見つかったときに、書き直せば大丈夫です。
今日の一歩
家の中で、一番古そうな道具を一つ探してみてください。それを手に、家族に「これ、誰が使ってたの?」と聞いてみましょう。
一つの道具から、先祖の仕事の話が広がることがあります。聞き方のコツは家族に聞く七つの質問にまとめています。
文・つっちー



