珍しい名字の読み方と由来|小鳥遊・四月一日・月見里
珍しい名字の読み方と由来を紹介します。小鳥遊はたかなし、四月一日はわたぬき、月見里はやまなし。どれも言葉遊びや昔の暮らしから生まれたという説があります。読めない名字に込められた発想を楽しんでください。

日本には、漢字を見ただけでは読めない、珍しい名字がたくさんあります。
たとえば「小鳥遊」は「たかなし」、「四月一日」は「わたぬき」、「月見里」は「やまなし」と読みます。どれも、なぞなぞのような発想から生まれたと言われています。
珍しい名字の読み方と由来
ここで紹介する由来は、どれも「そう言われている」という説です。名字の始まりには記録が残っていないことが多く、確かなことは分からないものもあります。
小鳥遊(たかなし)
「小鳥が遊べるのは、天敵の鷹(たか)がいないから」。そこから「鷹なし」で「たかなし」と読む、という説があります。
もとは「高梨(たかなし)」という名字から、字を変えて生まれたとも言われます。実際にこの名字の家は、とても少ないそうです。
四月一日(わたぬき)
昔は、旧暦の4月1日ごろになると、寒い季節に着ていた着物から綿を抜いて、夏用に仕立て直していたと言われます。この「綿抜き」から「わたぬき」と読むという説です。
季節の暮らしが、そのまま名字になったと考えると、昔の人の生活が目に浮かびます。
月見里(やまなし)
「月がよく見える里は、さえぎる山がないから」。そこから「山なし」で「やまなし」と読む、という説があります。
小鳥遊と同じく、「〇〇がない」ことを、別の景色で表した名字です。
ほかにもある、なぞなぞのような名字
ほかにも、読み方に工夫がある名字が知られています。
- 八月一日(ほづみ) … 旧暦の8月1日ごろに稲の穂を摘んだことから、という説
- 九十九(つくも) … 「百に一つ足りない」ことを表す古い言葉から、という説
- 一(にのまえ) … 「二の前は一」という言葉遊びから、という説
- 十(つなし) … 「一つ、二つ…九つ」と数えて、十だけ「つ」がつかないから、という説
- 栗花落(つゆり) … 栗の花が散るころに梅雨に入ることから、という説
こうして並べると、珍しい名字には大きく二つの型があることが分かります。
一つは、小鳥遊や月見里、十のように、言葉遊びやなぞなぞで読ませる型。もう一つは、四月一日や八月一日、栗花落のように、季節の行事や自然の移り変わりを表す型です。
季節を表す名字に出てくる日付は、今のカレンダーではなく旧暦(明治のはじめまで使われていた暦)のものです。今の暦にあてはめると、1か月ほどずれることが多いので、季節感も少し違って見えてきます。
同じ漢字でも、地域や家によって読み方が違うことがあります。たとえば「八月一日」は「ほずみ」と読む家もあると言われます。
珍しい名字が生まれた背景
明治のはじめ、それまで名字を名乗っていなかった人も、名字を名乗るように定められました。
このとき、住んでいる土地や家の特徴、仕事などから名字をつけた家が多かったと言われます。一方で、珍しい名字の中には、それより前から使われていたものもあります。
読み方が独特な名字には、昔の人のユーモアや、季節を大切にする気持ちが感じられます。一つの名字に、その家だけの物語が隠れているのかもしれません。
よくある質問
珍しい名字は、本当にいるの?
ここで紹介した名字は、実際にある名字として知られています。ただ、人数はとても少ないものが多く、漫画や小説の登場人物の名前として知られるようになったものもあります。
自分の名字の由来は、どうやって調べる?
名字の本や、地域の歴史の本を読むと手がかりが見つかることがあります。親や祖父母に「うちの名字って、どこから来たの?」と聞くのもおすすめです。
今日の一歩
家族や友だちの名字の中で、一番珍しいと思うものを一つ選んで、その由来を想像してみてください。答え合わせは、そのあとで調べれば大丈夫です。
自分の名字の由来も気になったら、苗字の由来で調べてみましょう。
文・つっちー



