海外移民の先祖を調べる方法|ハワイ・北米・南米の移住の歴史
海外移民の先祖を調べる方法と、ハワイ・北米・南米への日本人移住の歴史をまとめました。官約移民や笠戸丸の年、旅券の記録、戸籍に残る手がかりまで。海を渡ったご先祖をたどる第一歩にどうぞ。

海外に渡ったご先祖を調べるときは、まず「いつ、どこへ渡ったか」の見当をつけ、そのうえで戸籍と旅券の記録をたどるのが近道です。
明治から昭和のはじめにかけて、たくさんの日本人が、ハワイやアメリカ本土、ブラジルなどへ働きに出ました。親戚に「海の向こうに行った人がいる」という話があれば、たどれる可能性があります。
海外移民の歴史|ハワイ・北米・南米
ハワイ
1868年(明治元年)、約150人がハワイに渡りました。「元年者(がんねんもの)」と呼ばれます。
本格的な移住は、1885年(明治18年)に始まった「官約移民」からです。日本とハワイの政府の取り決めによる移民で、第1回は945人が横浜から船で渡りました。1894年に終わるまでに、合わせて約2万9千人が海を渡ったとされます。その後も、民間の会社を通じた移民が続きました。
アメリカ本土・カナダ
ハワイからアメリカ本土へ移った人も多く、西海岸を中心に日本人の暮らしが広がりました。カナダにも、多くの人が渡っています。
アメリカへの新しい移民は、1924年の移民法によって、事実上止まりました。
南米
南米への移住は、北米への道がせまくなったころから増えていきます。
- ペルー … 1899年(明治32年)に最初の移民が渡りました
- ブラジル … 1908年(明治41年)、笠戸丸(かさとまる)で781人が神戸からサントスへ渡りました
ブラジルへの移住は、戦後もしばらく続きました。
移民の先祖を調べる手がかり
1. 家族の話を集める
最初の手がかりは、家族の記憶です。「誰が」「どこへ」「いつごろ」行ったのか。手紙や写真、外国の切手が貼られた封筒が残っていないかも探してみましょう。
2. 戸籍を見る
日本の戸籍には、海外での出来事が書かれていることがあります。
- 海外で生まれた子の出生の届け(「布哇(ハワイ)国」などの地名)
- 海外で亡くなったときの届け
- 国籍に関する記録
移民の多くは、日本に本籍を残したまま渡りました。そのため、戸籍が大きな手がかりになります。
戸籍に見なれない外国の地名が書かれていたら、それが渡った先を知る大きなヒントです。古い戸籍では、外国の地名が「布哇(ハワイ)」「伯剌西爾(ブラジル)」「秘露(ペルー)」のような漢字で書かれていることがあります。読めない地名があれば、メモしておいて調べてみましょう。
また、一度海外に渡り、何年か働いて日本へ戻った人もたくさんいました。戸籍の記載から、日本に戻ったことがわかる場合もあります。
3. 旅券の記録を調べる
外務省外交史料館には、「海外旅券下付表」という記録が残っています。明治から昭和のはじめまで、旅券をもらった人の氏名、本籍、渡航先などが書かれています。渡った年の見当がついていると、探しやすくなります。
ハワイの官約移民については、その名簿も残っています。また、移民の多かった県の文書館などでは、関係する資料をあつかっていることがあります。
調べるときの注意点
古い記録は、漢字の読み方やつづりが今と違うことがよくあります。現地の記録では、名前がローマ字で、聞こえたとおりに書かれていることもあります。
また、現地にいる親戚の方に連絡をとるときは、相手の気持ちを大切に、ゆっくり進めましょう。
よくある質問
移民した人の子孫を探せる?
すぐには難しいことも多いですが、現地の日系人の団体や、家に残る手紙の住所から、つながった例もあります。
どこの県から移民が多かった?
広島、山口、熊本、沖縄、和歌山など、西日本の県から多くの人が渡ったと言われています。
今日の一歩
親や祖父母に「親戚で、外国に行った人はいた?」と聞いてみてください。名前と行き先がひとつわかれば、そこから戸籍をたどれます。
古い戸籍の取り寄せ方は、戸籍の取り寄せ方にまとめています。
文・つっちー



