源氏と平氏の子孫?名字との関係と系図を見るときの注意点
「うちは源氏の子孫」「平家の末裔」と聞いたことはありませんか。源氏と平氏の意味、名字との関係をやさしく説明します。後の時代に作られた系図も多いこと、確かめ方の考え方まで、落ち着いて読める内容です。

「うちは源氏の流れらしい」「平家の落人(おちうど)の子孫だと聞いた」。こうした話は、全国の多くの家に伝わっています。
結論から言うと、源氏や平氏は「名字」ではなく「氏(うじ)」の名前です。そして、家に伝わる系図のなかには、後の時代に作られたり、つなぎ合わされたりしたものも多いと言われます。
源氏と平氏とは
源氏と平氏は、もとは天皇の子や孫が、皇族から離れるときにもらった「姓(せい)」から始まりました。
- 源氏 … 平安時代のはじめ、嵯峨天皇の子らに「源」の姓が与えられたのが始まりとされます。のちに多くの天皇の子孫が源の姓を受け、いくつもの流れに分かれました
- 平氏 … 桓武天皇の子孫などに「平」の姓が与えられました。武士として名高い平清盛は、桓武平氏の流れです
源氏の流れは二十を超えると言われ、なかでも武士として力をもった清和源氏がよく知られています。源頼朝も、その流れです。
平氏にも、桓武平氏のほかにいくつかの流れがあったとされます。
平安時代の終わりには、源氏と平氏の武士が争い、源平の合戦として語り継がれてきました。壇ノ浦の戦い(1185年)で平氏が敗れたあと、各地に逃れた人びとの話が、のちの「平家の落人伝説」につながっています。
源氏も平氏も、もとは都の貴族や地方に下った役人の家でした。その子孫が地方に根を下ろし、武士として力をつけていったと考えられています。
名字と氏の違い
ここで大切なのが、「氏」と「名字」の違いです。
- 氏(うじ) … 源・平・藤原・橘など、古くからの一族の名
- 名字 … 住んだ土地などから、家ごとに名乗った呼び名
たとえば、足利氏や新田氏は、清和源氏の流れの武士が、住んだ土地の名を名字にしたものです。源氏の子孫だからといって「源」という名字を名乗っていたわけではありません。
つまり、名字だけを見ても、源氏か平氏かはわかりません。同じ名字でも、まったく別の流れの家があります。
系図を見るときの注意点
戦国時代から江戸時代にかけて、多くの武家が自分の家の系図を整えました。家の格を示すために、源氏や平氏、藤原氏などの名家につなげた系図も少なくありません。
こうした、名家の子孫だと名乗ることを「仮冒(かぼう)」と呼ぶことがあります。有名な大名家でも、源氏や藤原氏を名乗った根拠がはっきりしない例が知られています。
だからといって、家に伝わる系図に意味がないわけではありません。
- 系図が作られた時代の、家の思いがわかる
- 後半の、近い時代の部分は確かなことも多い
- 地名や寺の名前が、調べる手がかりになる
「どこまでが確かで、どこからが言い伝えか」を分けて見ることが大切です。
確かめるための考え方
家の言い伝えを確かめるには、新しい時代から順にさかのぼるのが基本です。
- 戸籍で、明治のころまでの家族をたどる
- お墓や過去帳で、江戸時代の名前を探す
- 古い系図や由緒書と、見つかった名前を照らし合わせる
近い時代の記録と系図がつながれば、系図の確かさが少し見えてきます。つながらない部分は、無理に結びつけず、「言い伝え」として残しておきましょう。それも、その家が大切にしてきた歴史の一部です。
よくある質問
家紋で源氏か平氏かわかる?
わかりません。家紋は家ごとに選ばれ、変わることもありました。同じ家紋を、別の流れの家が使っていることもよくあります。
平家の落人伝説は本当?
各地に伝わる話で、確かめられないものが多いです。伝説として大切にしつつ、事実とは分けて考えるのがよいでしょう。
今日の一歩
家に「うちは〇〇の子孫」という話があれば、誰から聞いたのか、何に書いてあるのかをメモしてみてください。話の出どころがわかるだけで、確かめる道すじが見えてきます。
家紋から、わが家の手がかりを探すなら苗字から家紋を引くも試してみてください。
文・つっちー



